あなたの歩んできた道は決して平坦なものではなかったはずなのに、あなたはいつも優しく微笑んでいましたね。そう、最期のときまであなたは穏やかでした。 まだあなたは若くて、やりたいことも沢山残っていたはずなのに。どうしてあんな風に、静かに逝くことができたのでしょう。 あなたが私の目の前から消えてしまったとき、私は暗闇の中に取り残された気分でした。これから先、まだ未熟者の私があなたと同じようにできるのか、不安でたまりませんでした。 だけど最近、こう思えるようになったのです。あなたは私に色々な教えを授けてくれました。それを護り、さらに次の世代に伝えていくということ、それはあなたの魂も一緒に伝えていくことに他ならないのだと。 あなたはもういないけれど、あなたの残した総てものにあなたの魂が感じられます。それは決して滅びることはなく、永遠に繋がっていくものなのですね。 後に残された私達があなたの教えを必ず護っていくことを、あなたは知っていた。私達を信じてくれたからこそ、穏やかな気持ちであなたは旅立っていったのですね? ならば、私はもう哀しみません。何も恐れません。そして、さよならも言いません。 だって、あなたは確かに私の、そしてあなたを知る総ての人の心の中で生き続けているのですから。 私がいつかあなたの傍に行ったとき、「よくやった」と誉めてもらえるように、私は精一杯頑張ります。 どうか、母上と一緒に見守っていてくださいね。 |