メディオンの瞳に見つめられるだけで、シンビオスの胸は高まる。メディオンの熱い視線は、服の下に息づくシンビオスの肌を見透かしているようで、羞恥と、それ以上に強い感情----欲情がシンビオスの全身を覆い尽くすのだ。
 重ねた唇の間から理性が零れ落ちる。
 シンビオスの体の奥底に湧き出た熱が、進入してきたメディオンの熱と混ざり合い、何もかもを融かしていく。
 そしてついにはマグマのように噴き上がり、二人を激しく優しく包み込んだ。

 ----やがて心地よい倦怠感と充足感を味わいながら、メディオンとシンビオスは火照った肌を寄せ合った。
 まだ余韻が残っていて、それがくすぐったい気恥ずかしさを感じさせる。シンビオスは熱い頬をメディオンの胸にぴったりと押しつけた。メディオンの鼓動が聞こえる。段々ゆったりとしていくそのリズムを聴いているうちに、シンビオスの心も落ち着いてきた。少し頭を巡らせてメディオンを見上げる。
 メディオンは目を閉じている。眠っているのかと思って、シンビオスは彼の頬に軽くキスしてみた。
「----なんだい? シンビオス」
 目を閉じたまま、メディオンが言った。上品な唇が微笑みの形を刻んでいる。
「いえ。----キスしたくなったので」
 シンビオスが正直に応えると、メディオンの笑みが深くなった。目を開けて、愛おしげにシンビオスを見つめる。
「君の好きなだけ、好きな所にしていいんだよ?」
 お言葉に甘えて、シンビオスはキスした。今度は唇に、ちゅっ、と軽快な音を立てる。それが思った以上に恥ずかしくて、真っ赤な顔に照れ笑いを見せながらシンビオスは再びメディオンの胸に顔を当てた。
「一体なんだい、それは」
 メディオンも笑いながら、
「なんでそんなに真っ赤になるの」
「いや、なんか…、自分でやっててあれですけど、----凄く恥ずかしかった、今の」
「変なの」
 メディオンはくすくす笑いながら、シンビオスの髪を撫でた。
「変ですね」
 シンビオスも笑う。
 ひとしきり笑った後、もう一度軽くキスを交わし、また笑い合って、----二人は幸せな気分のまま眠りについたのだった。


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