夕食前の憩いの時間、シンビオスとメディオンは応接室のソファに並んで座り、ハーブティを飲みつつ談笑していた。 今日はシンビオスの公務も休みで、故に、普段はアスピアで亡命生活を送っているメディオンも、フラガルドにやって来ている。泊まりではなく日帰りである。ベネトレイムにそう言われているのだ。今メディオン自身とその生活を保護しているのはベネトレイムであるから、彼の命に従わないわけにはいかない。 今のメディオンとシンビオスの関係は、非常に微妙なものだった。 お互い好き合っていて、なのでちゃんと告白をして、めでたく恋人になった。 だが、それから3ヶ月が過ぎようというのに、未だにキスしかしていなかった。しかも、恋人同士の、というよりも、家族にするような軽いものだ。 勿論、2人ともそれで満足しているわけがなかった。ただ、理性的すぎたり真面目すぎたりで、なかなかその先に進めないのだった。 今日もまったく健全に、なんということもない話をしながら笑い合っていた2人だったが、その笑いの余韻も消え、ふ、と沈黙が訪れた。 それは変な沈黙だった。親しげでもあり、少し緊迫しているようでもあり、昂ぶっているようでもあった。 そのムードに押されて、メディオンはーーーー シンビオスの肩に腕を廻した。→ 1 シンビオスの肩に腕を廻そうとして、やはり緊張して止まってしまった。→ 2 |